ダンロップフェニックストーナメント

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大会レポート

11月19日(木曜日)

武藤一彦のコラム   火曜日   水曜日   第1日目(木)  第2日目(金)  第3日目(土)  最終日(日)    
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 ダンロップフェニックスは曇天の中、大会初日が始まった。気温13・3℃と冬本番かと思わせたが、選手たちの熱いプレーがギャラリーに寒さを感じさせなかった。
 初日のリーダーボード最上段に名を連ねたのは久保谷健一。8バーディー・2ボギー65をマークし、2位に3打差をつけて好発進した。

 「今日はフェアウエイを外したのが8、16番の2ホールだけでした。よほどのミスをしない限りボギーを打つような場面はありませんでした」とこの日のベストスコアの理由を久保谷はそう話した。完璧なプレーあってのスコアのように思えるが、スコアという数字に表れない不安を抱えているとこぼした。
「先週1週間、パットが良くなかった。どう打っていいのかわからない。だから今週は『こう打ってみるか』という手さぐり状態でパットをしていたのですが、逆にそれ(その試行錯誤)がうまく行った感じです」。

 パットを左に引っ掛けたり、ショートしたりすることが少なくない。ミスパットを恐れながら打っている。そのため先週の大会では逃げるしかないゴルフを強いられていたという。

 それでも今季は単独2位が2回、2位タイ1回、3位タイ1回とベスト5フィニッシュ6回を数え、2週連続優勝を飾った2002年以来のツアー3勝目は確実に近づいているように思われる。

 共同記者会見では、いつものように謙虚な言葉を口にする久保谷を練習ラウンド仲間は「口三味線の達人」と揶揄するほど。「優勝よりも頑張ってベスト10に入るのが今の目標です」というコメントも、おそらく7年ぶりの勝利の美酒を期しているからこそだろう。

 首位に3打差の2位タイにつけ、今季初優勝に虎視眈々なのが2000年大会覇者の片山晋呉だ。初日4バーディー・1ボギーの安定したプレーで着実にスコアを積み重ねての順位に「すごく良いゴルフで、中でもパットが良かったので回っていて(プレーが)楽でした。パーをうまく拾えたし、(難コースで開かれる)日本オープンだと思って無理せず、無理せずプレーした感じです」と順調な滑り出しに手応え十分のようだ。

 また、片山と同じく2位タイの甲斐慎太郎は「いい緊張感の中でプレーできました。ティーショットでフェアウエイをキープ出来たので、スコアを作りやすかった。地元(宮崎)の応援もあり、優勝できたらいいだろうしパットのタッチが合っているのも心強い」と地の利も生かしている。

 このほかにツアー初優勝を狙う山下和宏、松村道央ら初シード選手や、今季の日本オープンでツアー初優勝を挙げた小田龍一、4年ぶりの優勝を目指す宮里聖志の計6選手が2位タイに名を連ねている。残り54ホールで誰が頂点に立つのか。劇的ドラマはまだ序章が終わったばかりだ。


小田龍一 スタートホールから3連続バーディー! 今季日本オープン覇者・小田龍一が2位タイの好発進

 今季ツアー界の流行語大賞があるとするなら、ノミネート候補第1位なのが「アンビリーバブル!!」だろう。
 日本オープンでのプレーオフを制し、ツアー初優勝をメジャー大会で飾った小田龍一が、優勝インタビューの第一声でその言葉を発したのは記憶に新しい。

 メジャー覇者となって、何が変わったかと尋ねると「お陰様でそれ以後、予選落ちをしていないことですね」と謙虚。それでも成績をひもとくと、4戦して2試合でベスト10入りを果たしている。「何だかよくわかりませんが、ゴルフの好調さが続いています」と小田。

 大会初日はスタートの1番ホールから3連続バーディーを奪い、一時は首位に立った。しかし8、9番ホールでテイーショットを左に曲げ、9番ホールではこの日初のボギーを叩いてしまった。
 「(一時首位の)3アンダーになってビビッてしまい、固まってしまいました」(小田)。

 しかし、メジャー覇者は修正能力も身につけていた。ハーフターンしての10番ホールでは「ショットを左に曲げた原因はダウンスイングで体が左に突っ込む悪癖が出たから。右足ベタ足(右足に体重を乗せたまま)で思い切り振り抜こう」と決めたのだった。その甲斐あって、後半を2バーディー・1ボギーにスコアをまとめ、3アンダー・68の2位タイでホールアウトした。

 「終わってみれば、ショットもパットもそう悪くはありませんでしたね。(大会歴代覇者の)ジャンボ(尾崎)さんと同じ組だったので、迷惑をかけないようにプレーすることばかりを考えていました。残り3日間も右足ベタ足(打法)に徹するだけです。まだまだ未熟者ですから、一打一打に集中してプレーして行きますよ」と小田。
 ホールアウト後も練習場で右足ベタ足でのショット練習に時間を費やしていた。この積み重ねが今季2勝目に結びつくか。要注目だ。


富田雅哉 ビッグスコアで首位の座を奪う!? 2アンダー・8位タイの富田雅哉が静かな闘志を燃やす

 身長185センチ、体重85キロの恵まれたポテンシャルを生かしての豪快なスイング。今季は、つるやオープンで念願のツアー初優勝を遂げた富田雅哉が初日、首位と4打差の2アンダー・8位タイの好位置に着けた。

 「ティーショットでフェアウエイをキープできたし、たとえラフに捕まってもグリーンを確実に捕らえられたのがスコアにつながったと思います。僕とすればショットもパットも文句なしの出来でした。1カ月前からショットが上り調子になって来ているので、そろそろ結果も欲しいですよね」と富田。
 大会初日のパーオン率(83・33%)、パーキープ率(94・44%)はともに2位タイ。アイアンショットの切れの良さが際立っていることを表している。

 「実は日本オープンからニューアイアンを使い始めたのですが、ショットの出球(打ち出し方向)が揃うようになり、しかもボールが上がりやすいのでとても打ちやすい。そのお陰でドライバーショットもパットも良くなって来たのです」。

 ツアー優勝を飾ったことで、米ツアー参戦(ツアー出場順位を争うQスクール受験)を視野に入れて今季を戦って来た。だが、9月のANAオープン開催週にQスクール受験申し込み締め切りが3日目前だと知り、申し込んだものの心身共に渡米環境を十分に整えられなかったこと、それ以後4試合続けて予選落ちを喫したことで「まだまだ米ツアー挑戦するほどの実力ではない、日本でもっとしっかり成績を残さなくてはいけない」と悟ったという。

 一つの目標を断念した一方で、富田は腰や肩のケアのために、筋力アップトレーニングを開始した。「まだ2カ月ほどですが、体の調子は良くなって来ましたし、ゴルフ自体も良くなって来たのです。初優勝は3日間競技になって爆発的なスコアを出せての結果ですが、そのビッグスコアを出せるラウンドがこのところ増え、大叩きが少なくなりました。ツアーは残り3試合ですが、勝ちを意識しながらプレーして行きたいんです」

 年間2勝目を4日間フルに戦ってもぎ取りたい。富田は、それが米ツアー本格参戦への布石になる、と信じている。ビッグスコアで必ずやトーナメントを盛り上げてくれるはずだ。

原口鉄也 大会500個目のメモリアルイーグル奪取!

 大会初日、アウトコースからスタートした原口鉄也が7番パー5で大会通算500個目の記念すべきイーグルを奪取した。

 残り230ヤードを普段なら3番アイアンで打つところだが、球が強くなり過ぎて止まらないのではとクリークに持ち変えた。

 高いスライスで距離を合わせる作戦が見事成功し、ピンそば30センチにつくスーパーショット。楽々メモリアルイーグルを奪った。

 大会の初イーグルは1974年の第1回大会初日の10番ホール(当時はパー5として使用)で、ジョニー・ミラーが達成。個人別データでは1994年から1996年にかけて大会3連覇を果たした尾崎将司の13個が最高になる。