11月20日(金曜日)
第1日トップの久保谷健一が1アンダー70、通算7アンダー。前田雄大が7バーディー、1ボギーのベストスコア65で並び、平塚哲二も5アンダー66をマーク、3人が首位を分けた。
1打差の4位には日本オープンチャンピオンの小田龍一とエドアルド・モリナリ(イタリア)がつけた。注目の石川遼は1アンダー70、通算スコアも1アンダーで20位へ上昇。
ビジェイ・シン(フィジー)と2連覇を狙うプラヤド・マークセン(タイ)はイーブンパーの30位。上位陣には日本勢がひしめき02年横尾要以来7年ぶりの日本人優勝へ期待がふくらんだ。
2日間を終わって4オーバー56位までの63人が決勝ラウンドへ進出。尾崎将司は9ホールを終わって棄権した。
またこの日3番ホールの180ヤード・パー3では、H・リーが大会通算25個目となるホールイン・ワンを達成した。
平塚哲二 今季2勝目に近づけた喜びの一方で、
気懸かりなことも…
キャディーバッグの中のクラブを覗くと、9番アイアンのソールはノコギリの歯と表現したくなるほどギザギザに傷ついている。ピッチングウェッジのリーディングエッジ(歯)のメッキは剥がれ落ち、「構えてフェース面を見ると、歯の部分がガビガビでしょ」と言って、持ち主である平塚哲二は笑った。
昨年は未勝利で賞金ランキング56位と不本意な一年を送ってしまった。このままではいけない!「ゴルフをやりまくろう」(平塚)と一念発起し、無シード時代に武者修行として挑んでいたアジアンツアーへ再挑戦。ツアー出場予選会から臨み、日本ツアーのオフの時期にアジア各国で戦って来た。「アジアンツアー・インターナショナル」では優勝争いを演じ、惜しくも優勝は逃したものの、2位タイの好成績を収め、復調の手応えをしっかりつかんだのだった。そして今季は、ツアー3戦目の中日クラウンズで2年ぶりのツアー通算5勝目を飾ることもできた。
しかし、それ以後はベストテン入りが2回しかなく、その影を潜めるかのような成績に終わっていた。「ゴルフの調子自体は、それほど悪くはなかったのですが、プレーの流れが良くなく、平凡な成績しか挙げられませんでしたね」と平塚は振り返る。
日本ツアーの試合数が以前よりも減ったことで、オープンウイークにはアジアンツアーに出場し、年中無休のゴルフ生活を続けている。それでも来季アジアンツアーのシード権を確定できたわけではない。
大会前週は休養週となってしまった。実は、アジアンツアーの出場資格があると聞いて、日本ツアー欠場を急遽決めた。しかし、その後、出場ではなく、ウェーティングの間違いだったと伝えられ、日本ツアーに出場し直そうとしたが、欠場届けが受理されていたことで仕方なく「休養週」に当てざるを得なかったのだ。体を十分に休めながらもスイング調整をさらに行なって臨んだ今大会。ドライバーショットは安定し、平塚の武器であるアイアンショットも冴え渡り、大会2日目の66、首位タイをもたらしたようだ。
「アジアの様々な国でラウンドするアジアンツアーは、とっても刺激になります。日本とは芝質もコースメンテナンスも異なるから、そこで戦って来たという自信を持たせてくれる。僕にとって、ツアープロとしての原点がアジアンツアー。ハングリーな選手たちと戦うことで、忘れていた何かを取り戻してくれる」と平塚。傷着いたままのアイアンは、自分が戦って来た足跡でもあるのだ。
「優勝ですか?意識する順位ですけど、まずは明日のプレー次第ですよね。もう一つ意識していることもあるんですよ、実は」と平塚。
今週のアジアンツアーの結果次第ではシード権を確定させるために、日本シリーズ開催週に再びアジアに渡らなければならないのだという。「一年中ゴルフが出来る環境」を自らのプレーで築き上げていく。平塚のタフな精神と体力が、今大会での優勝争いの土壇場で発揮されるのは間違いなさそうだ。
ロベルト・カールソン 静かな足音で頂点に歩み寄るステディー・プレーヤー
08年欧州ツアー賞金王R・カールソン爆発の予感
身長196センチ、体重95キロ。ビジェイ・シンよりも11センチも身長が高く、体重は9キロも多い体躯。それはバスケットプロ選手か、メジャーリーガーと思わせる。ロベルト・カールソン。昨年はスウェーデン人初の欧州ツアー賞金王に輝き、今大会に初出場。初日1アンダーでスタートし、2日目は5バーディー・2ボギーの68をマーク。通算4アンダーで7位タイに順位を上げて予選を通過した。
「初日よりも良いプレーができたけれど、コースが難しいのでボギーを打ってしまうのは仕方ない。欧州(のコース)よりも海抜が低いためか空気が重いようで、思い通りのショットを打っても距離が出ない。実際のヤーデージ(7010ヤード)よりも長く感じる」と2日間のラウンドをカールソンはそう振り返った。
わずか大会2日間だが平均ストローク7位タイ(68・82%)、パーキープ率9位タイ(88・89%)、パーオン率8位タイ(72・22%)、フェアウエイキープ率8位タイ(71・43%)、パー5でのツーオン率4位タイ(16・67%)など各部門別ランキングで軒並み上位に着けている。
「見た目(の体格)とは違ってとってもステディー。飛ばしそうなのに飛ばさない印象が強かった。プレー全体が慎重で、ホール状況を見極め、イメージを明確にしてからショットしていました。パットがうまく、3パットしそうな気配がまったくありませんでした」とは、予選2日間をカールソンと同組でラウンドした星野英正の感想だ。
大会2日目、コース難易度1位の12番ホール(465ヤード・パー4)ではドライバーショットでフェアウエイ中央を捕らえ、2打目で5番ウッドを手にしてパーオンに成功。バーディーパットは外したものの、パーパットを簡単に沈めてパーセーブ。ワンオン可能の13番ホール(332ヤード・パー4)では、果敢にグリーンオンを狙ってドライバーでショットし、花道までボールを運んだ。
「練習ラウンドで、帯同キャディーでワンオンを狙うかどうか相談していたけど、今日は思い切ってトライしてみたよ」とカールソン。攻めと守りの緩急をつけたプレーぶりで着実に順位を上げて来た欧州ツアーの実力者の存在は、決勝ラウンドからさらに注目されるに違いない。
今年は欧州ツアー2年連続の賞金王に就けなかったが、それは視力低下の病に見舞われ、5月下旬から9月まで4カ月間ほどツアーを休んでいたのが最大理由だ。
「ゴルフを再開して徐々に調子が上がって来ているし、明日からもスコアを伸ばしていくよ」と日本ツアー初優勝がしっかり「視界」に入っているようだ。静かな足音で欧州ツアー賞金王が優勝争いに名乗り出る。