
2年連続アマチュア世界一。そんな称号を引っ提げて今年プロになったルーキーが、ダンロップフェニックスに登場します。中島啓太選手。2020年ダンロップフェニックスにアマチュアで出場した時には8位タイに入り、米澤蓮選手とローアマの座を分け合っています。
これで波に乗り、翌2021年には世界アマチュアランキングNo.1に上り詰めています。1位になると世界のゴルフをまとめるR&AとUSGAからマーク・マコーマックトロフィーが授与されます。これを獲得した後、アジアパシフィックアマチュアにも優勝。マスターズ出場権も手に入れました。秋には、パナソニックオープンでプロを相手に優勝しますが、しばらくはアマチュアとしてプレーすることを選択します。
2022年は、マスターズに加えてアマチュアNo.1の資格で全米オープン、全英オープンにも出場。メジャーでの戦いを経験します。この時には、ナショナルチームの一員でもあることから”チームケイタ“としてガレス・ジョーンズヘッドコーチらとともに戦う様子が、公開されていました。ナショナルチームのエースとして、寄せられた期待の大きさが伝わります。
プロデビュー戦に選んだのは、9月のパナソニックオープン。1年前、アマチュアとして出場して、プレーオフの末に優勝した試合でした。
将来的には世界の舞台で戦うことを考えている中島選手は、「試合の結果は準備次第」ということを常に考えています。身体的な準備、気持ちの面での準備、そして技術的な準備…。さらには、日常生活でストレスを溜めないためにゴルフと離れる時間を作ることや、自分と向き合う時間を取ることなど、ありとあらゆる方法で試合の「準備」をするのです。
いいパフォーマンスをするための「準備」を整えることで世界のアマチュアのトップに立った中島選手。プロになる時期も「すべては準備次第」と話していたのが印象的でした。
その準備が整ったからこそ、パナソニックオープンにはプロとして、そしてディフェンディングチャンピオンとして、プレーしたのです。
緊張もあって思うようなプレーができず、残念ながら連覇はかないませんでした。けれども、自分と同じようにアマチュアで優勝した蟬川泰果選手を祝福しながら、自らにも活を入れていました。
日本で行われるPGAツアー、ZOZO Championshipにも、プロとして出場を経験。世界のトッププレーヤーとともに戦うこともしました。
日体大4年に在学のまま、プロとして初めて挑むダンロップフェニックス。自ら泣き虫であることを認め、優勝シーンでは号泣する姿で素直な人柄を見せてくれる選手だけに、去年とは違う立場で、涙を見せてくれる機会があるのかもしれません。